日本の鉄道貨物輸送と物流:表紙へ
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株式会社クレハ
2017.7.2作成開始

《目次》
■クレハの会社概要
■クレハの沿革
■クレハのトピックス
■クレハの鉄道貨物輸送
 ▼勿来駅の専用線の歴史
 ▼勿来駅常備の貨車
 ▼国鉄時代の車扱輸送
 ▼JR貨物以降の車扱輸送
 ▼コンテナ輸送
■クレハ環境
■まとめ

1999.2仙台港駅 呉羽化学工業(株)所有 タキ14288


■クレハの会社概要

■クレハの沿革




■クレハのトピックス  ▲

▽呉羽化学 保土谷化学 クロルベンゼンで提携 錦に折半出資設立、生産を集約 年4万6000トンと国内最大規模 (1998年9月17日付『日本工業新聞』1面)

 呉羽化学工業と保土谷化学工業は、防虫・防臭剤やPPS(ポリフェニレンサルファイド)の原料となるパラジクロルベンゼンなどのクロルベンゼン類の生産 で提携した。呉羽の錦工場(福島県いわき市)内に折半出資で生産会社を設立、生産を集約した。新会社のクロルベンゼン生産能力は年間4万6,000トンと 国内最大規模になる。販売は従来通り両社が行う。両社は96年8月、カセイソーダなど電解事業で提携しており、誘導品である塩素化合物でも手を結び、生産 規模の拡大を通じコスト低減と収益改善を進め、国際競争力を高める。

 新会社「ケー・エイチ・ケミカル」は資本金2千万円で、土地や製造設備を当面、呉羽から借りるが、設備は99年以降、新会社が買い取る。双方からの出向者25人で生産をスタートした。

 呉羽は錦工場に年産能力約6,000トンのモノクロルベンゼンと同約2万トンのジクロルベンゼンの製造設備を、保土谷は郡山工場(福島県郡山市)に約 1,000トンのトリクロルベンゼンと約2万トンのジクロルベンゼンの製造設備を持っていた。新会社の移行に伴い、保土谷は生産を停止した。設備は当面、 保存するものの廃棄を含め、今後の活用策を検討する。保土谷は電解を呉羽の錦工場へ集約した以降、クロルベンゼンの原料である塩素を錦工場から液体塩素や 一次加工した塩素化ベンゼンの形で調達していたが、生産集約により、物流コストや輸送に伴う安全などのリスクが解消される。一方、呉羽は集約に合わせ、製 造設備を10億円程度かけて増強した。

 両社は、年産能力で10万トンの規模を誇る独バイエルや米スタンダードクロリンなど外国勢に対抗できるよう、集約によるメリットを早急に引き出す。

 パラジクロルベンゼン、オルソジクロルベンゼンの国内市場規模はそれぞれ年間4万、同1万1,000トンで、呉羽と保土谷を合わせたシェアは 50〜60%に達する。両社は96年8月、電解事業を呉羽の錦工場に集約することを柱に提携。昨年には株式の持ち合いに踏み切るなど提携関係を強めてい た。

▽呉羽化学 錦工場を再構築 最適チェーンで競争力 (2003年3月5日付『化学工業日報』3面)

PPS・PVDC 電解川下製品に重点

 呉羽化学工業は、製造拠点の錦工場(福島県)の生産体制を再構築する。今年から塩ビ樹脂とモディファイヤー事業から撤退したのにともない、重点事業と位 置付けるポリフェニレンサルファイド(PPS)や塩化ビニリデン(PVDC)を主体とした体制に組み替える。発電などのインフラや食塩電解設備の操業体制 を転換し、電力−電解−PPS・PVDCによる最適一貫チェーンを構築する。数年後にPPSの製造能力を現在の2倍の年1万トンにする構想などに合わせた チェーンの実現で、工場競争力の徹底強化を図る。

 呉羽化学工業では、これまでの根幹事業だった塩ビ樹脂とモディファイヤー事業から昨年いっぱいで撤退した。コモディティ型事業を主体とした体制から、ハ イバリヤー性包装材料や高機能材料、医・農薬主体への転換を狙いとした選択と集中の一環。ただ錦工場では年10万トンの電解設備を保有しており、コモディ ティ型の生産もまだ残している。また、すでに塩ビ、モディファイヤーも原料は外部からの持ち込みを主体としていたが、蒸気の余剰など問題が発生する。

 一方で同社では、PPSやPVDCへの集中投資を図っていく構え。これらはいずれも電解製品の川下製品。電解製品をPPSやPVDCの原料と位置付けて いけば、比較的付加価値の高い展開が見込めることになる。とくにPPSでは、直接原料のパラジクロロベンゼンは塩素、硫化ソーダは水素と苛性ソーダを使用 するため、自社原料を大きく活用できることになる。同社ではPPSをボトルネッキングで年1万トン能力まで高める計画を持っており、これにモノクロルベン ゼンやPVDCで必要とする塩素を加えると、発生塩素の大半を高付加価値製品の原料として自社消費できる。既存電解設備の高稼働を維持し、コスト競争力の 発揮を見込める。これらにともなって、塩素の外販からは基本的に手を引く。

 発電設備については、電解プラントを安価な深夜電力でフル操業することで縮小を進める。ボイラーや発電機の更新時に段階的に蒸気必要量に合わせた体制に移行する。電解製品の原料ポジション化とインフラの効率化による最適生産体制の確立を目指す。

▽呉羽化学 PVDF事業拡大 今秋、錦で増強 日本エクストロンに資本参加 加工分野も拡充へ (2003年9月1日付『化学工業日報』2面)

 呉羽化学工業は、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)事業の強化に乗り出す。その一環として、錦工場で今秋、モノマー、ポリマー設備を増強する。増強幅 は、ポリマー換算で年300トン。現状の同1,200トンから1,500トン体制に拡大する。さらに樹脂加工企業の日本エクストロン(東京都大田区)にこ のほど資本参加し、加工分野の強化も本格化していくことにした。能力引き上げや加工中間素材の提供力の強化を通じ、需要家からの要求への対応力を強めて事 業拡大を図る。

 呉羽化学工業は、国内唯一のPVDFメーカー。1970年に事業参入し、耐薬品性、耐候性、防汚性などの特性を生かして、化学や半導体関連の配管、バル ブ材料などを中心に供給するほか、釣糸原料として自家消費するなどしてきた。また近年はリチウムイオン二次電池のバインダー向けの需要を開発し主要用途と して育成もしている。加えて、ここにきてPVDFの持つ易加工性などが評価され、メンブレン、コーティング、特殊フィルム、チューブ、膜といった用途展開 が、浄水・排水分野や自動車部材をはじめとした多彩な領域で広がりをみせている。供給力も限界に直面してきたことから製造能力を引き上げることにした。

 錦工場で今秋の定期修理時を利用して設備改造を実施し、ポリマー能力を年1,200トンから同1,500トンに増強する。これに対応する形でモノマーの能力も増やす。投資金額は数億円規模となる見通し。

 また樹脂販売以外に、丸棒、棒材などの中間加工製品の供給も今後は増やす計画。このため連続固化押し出しという特殊押し出し技術を持つ加工企業の日本エ クストロンにこのほど資本参加した。委託加工した製品を呉羽化学が販売する。従来から加工の委託を行ってはいたが出資を機に提携関係をさらに強め、化工品 比率を向上させ事業の高付加価値化を推進する。

 呉羽化学では、需要家ニーズに応じた開発型の営業や製品開発を進めることで、PVDF事業を世界的に拡大していく考えでいる。要求に応じた物性を持った レジン、中間加工品の投入を加速していくなか、今回の能力増強と加工会社への出資でこうした事業戦略を推進する基盤が整う。

▽水硫化ソーダ増強構想 クレハ いわきのPPSに連動 (2007年3月5日付『化学工業日報』2面)

 クレハが現在検討を進めているポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の次期増強計画に連動し、原料の水硫化ソーダの増強構想が浮上してきた。戦略商 品と位置付ける同樹脂は、いわき工場を最有力候補に増強計画を進めており、強みとする原料からの一貫体制をさらに強固にするのが狙い。また、水硫化ソーダ はカ性ソーダと水素を使用することから、電解製品の高度利用促進にもつなげる。

 いわき工場では昨年、PPS樹脂の能力を年6千トンから1万トンにまで引き上げたが、いぜんとして高い需要増が見込まれることから、現在、さらなる増強が検討されている。

 1999年に年産能力4,500トンの水硫化ソーダ製造プラントを完成させ、世界で唯一のパラジクロロベンゼンとともに電解設備から一貫した生産体制を 確立して以来、圧倒的な競争力を保有している。今回の水硫化ソーダの増強構想には、PPS樹脂のさらなる能力拡大においても一貫生産体制を維持する狙いが ある。

 一方、水硫化ソーダの増強は電解製品の高度利用促進策でもある。すでに塩素については、PPS樹脂などの高付加価値製品や主力事業の1つである塩化ビニ リデン樹脂(PVDC)の原料として大半を自社消費できる体制を整備しているが、カ性ソーダについては8割以上を外販しているのが現状。水硫化ソーダを増 強すれば、原料としてカ性ソーダとともに水素の自消も高まり、いわき工場の競争力強化につながる。



■クレハの鉄道貨物輸送  ▲

▽会員訪問〔5〕 呉羽化学工業(株)錦工場【1981年11月20日実施】 (『貨物』1982年2月号、鉄道貨物協会、p10-13)

【鉄道輸送について】
〇錦工場は工業薬品、医薬品、合成樹脂、農薬、肥料等を製造、出荷。総量は50万トン、そのうち4割の約20万トンは国鉄利用。そのうち約17万トンは液体薬品のタンク車
〇タンク車利用のウェイトが高く、保有タンク車約100両、第三者使用を合わせると170両余りを使用
〇タンク車の利用効率は月に2〜2.5回転ほど。私有貨車は古く、殆ど償却済みで輸送コストはトラック輸送と比較する際は輸送費のみ比較し、タンク車の方が有利。しかし今後の更新時が問題
〇専用線の規模は、延長約9�q、荷役線は3本、延べ30車程度入線可能。出荷製品は、苛性ソーダ、塩酸、肥料、亜硫酸ソーダ、塩化ビニルなど
〇コンテナも専用線から出荷され、化学薬品が主で小ロットのものをドラムで積む。1980(昭50)年10月ダイヤ改正まで勿来駅からは数カ所しか出荷できなかったが、日立駅に集約され輸送日数は増えるが行き先が増えたので使いやすくなった
〇私有タンクコンテナはタンク車と同様に返送が必要で日数がかかるのが課題。月間でギリギリ3回転している。現在7個保有しているため、月に約20個前後発送していることになる
〇タンク車で輸送されているものが、大きな貯蔵設備を持たなかったり、側線も無いというところでは、地域によっては5トンタンクコンテナを利用するところが出てくると思われる
〇ユーザーに専用線やタンク等があると輸送しやすく、東京の化成品センターには貨車で計画輸送をしている
〇私有貨車対策が非常に大きなテーマ。タンク車を新造すると1,500万〜1,800万円がかかる。液体塩素や塩酸等は安全性の問題から、緊急遮断弁を付けるなどの要求があり、建造費が上がっている

【トラック、船の輸送について】
〇トラック輸送は、系列の呉羽運輸に任せている。保有する百数十台のうち過半数はタンクローリー。多い日は100台以上出荷、一番遠距離は山口県辺りまで、ローリーは京都や大阪辺りまで出荷している
〇トラックと貨車では約220�qが分岐点で、例えば仙台、横浜はトラック、新潟は貨車。船は主に苛性ソーダだが、先方にタンクが必要だが、条件さえ合えば遠距離は船が有利
〇苛性ソーダでは、販売価格がトン当たり7万円以上するが、トータルの流通経費で約10%かかっている。肥料や塩酸などは販売価格の30%を超えているのが現状。付加価値の高いものほどトラック、運賃負担力の低い製品は国鉄に依存
〇錦工場と小名浜工場は約16�q離れているが、出荷面は苛性ソーダ、原料受入面で工業塩、燐鉱石は船を使い、横持ちはトラックとなる

【国鉄輸送の課題】
〇1978(昭53)年10月ダイヤ改正で列車の本数が減り、合理化であっても荷主にとっては不便になった。改正の都度、使いずらくなる。錦工場の場合、列車本数が減ったため、一編成50両いっぱいの時など、取り残されるケースがある
〇指定が取れず、すぐ送りたいときも困る。季節的な製品も多く、出荷のピーク時にそのようなことが発生。私有貨車の回転率が悪くなるが、商品価格を上げるわけにもいかず、儲からないから止めるというわけにもいかない
〇液体品やタンク車については、国鉄はまだまだ競争力がある。専用線や私有貨車による大量輸送にはもっと優遇措置をとってもらいたい

【肥料(粒状培土)の輸送】
〇呉羽化学の肥料(粒状培土)は、田植が機械化された時にできた製品で、苗を箱の中で育てる際の土。1971(昭46)年から発売し、国内で 100〜120万トンの需要が毎年あり、全農ルートの約18万トンのうち、約4割を同社で販売。北は北海道から西は中国や四国辺りまで出荷
〇遠隔地は貨車輸送で、北海道の場合は船。コストは土を運ぶ距離と製品を運ぶ運賃が大きなウェイトを占める。安く作るには運賃を抑えることが必要。駅の集約で横持ちが長くなると国鉄利用は厳しくなる
〇今後の国鉄の800駅体制の計画では、不特定多数のユーザーで、地方線を利用して輸送するため影響が大きい

▽呉羽化学工業株式会社 錦工場 化学品輸送の更なる物流品質の向上を… (『Monthlyかもつ』1999年3月号、p19)

 呉羽化学工業は創立以来、技術導入に頼ることなく、独自発想で新分野に挑戦してきた技術開発企業である。塩化ビニリデン樹脂「クレハロン」をはじめ、医 薬品「クレスチン」、エンジニアリング・プラスチックス「フォートロンKPS」、リチウムイオン2次電池の負極材「カーボトロンP」など独自製品を数多く 開発し、市場を確立している。また生活に密着した��ニュークレラップ�≠竰゙糸��シーガー�%凾ヘ錦工場の中間原料を使用し、関係加工会社で商品化されている。

 呉羽化学工業の物量は原燃料購入量と製品の出荷量がほぼ同量で年間それぞれ60万トン程度。原燃料の約80%は北東約15�qに位置する小名浜港経由で入荷される。一方、製品出荷量の86%はタンクローリーや平ボディ車等の陸上輸送、タンク車やコンテナ等のJR輸送が8%、その他船や航空便となっている。

 全国50カ所以上ある営業倉庫や関連加工場までの幹線輸送手段の見直し、ユーザー直送化の拡大と大型ローリー車やISOタンクコンテナの導入、1998年9月から就航した小名浜港外貿コンテナへのシフト等を推進している。

 国内遠距離ユーザーへの毒劇物や高圧ガスの輸送については、より安全なタンク車輸送とし、危険物のドラム包装品はJRコンテナ輸送へシフトする等を行っている。



▼勿来駅の専用線の歴史

▼勿来駅常備の貨車

▼国鉄時代の車扱輸送

▼JR貨物以降の車扱輸送



▼コンテナ輸送  ▲

▽尼崎向けをコンテナ化 (1995年6月12日付『運輸タイム ズ』3面)

 呉羽化学工業(株)は、タンク車で年間3万5千トン鉄道輸送している化学工業薬品のうち、関西向けの1,000トンを1996(平8)年3月からタンクコンテ ナ輸送に替える。

 福島県の錦工場が製造しているもので、専用線を経由して勿来駅から石巻港、仙台港、六原、向浜、尼崎の各駅へタンク車で輸送、製紙メーカーへ納入してい る。タンクコンテナ輸送に替えるのは尼崎駅向け。JR貨物が来年3月予定のダイヤ改正以降、尼崎駅の車扱が廃止されるのに伴う転換。

 尼崎駅へは現在、年間2,500トン(35トンタンク車で1ケ月7〜8両)を輸送しており、1,000トンをタンクコンテナに切り替える予定。同社物流システ ム推進室では、「次期ダイヤ改正で東北向けタンク車輸送は続けるが、尼崎駅向けはタンクコンテナ輸送に転換することを考えている。ローリー車輸送もある が、物流コストが高くなるので、レール輸送を重視したい。使用コンテナはレンタルを考えている」としている。

 錦工場は鉄道輸送比率が高く、1994(平6)年度は高機能樹脂(コンパウンド)を私有10トン及び汎用12ftコンテナで1万2,300トン(対前年 5.6%増)輸送し、鉄道へのモーダルシフトのため、遠隔地向け樹脂もトラックから転換することを検討している。



■クレハ環境

■まとめ