| 《目次》 ■はじめに ■北旭川駅の関連年表 ■北旭川駅の貨物取扱量の推移 ■石油輸送 ■セメント輸送 ■LNG輸送 ■合同酒精(株)旭川工場のコンテナ輸送 ■最後に |
![]() 2013.6北旭川駅 |
道内2位の人口約31万人を数える道北最大の都市・旭川市。上川盆地における鉄道と道路の起終点が集まる交通の
要衝で、古くから食品や紙・パルプ産業などの経済活動が活発であり、鉄道貨物輸送も盛んに行われていた。 市内には旭川大町駅(1978年廃止)という貨物専用駅が存在したほか、近文、旭川、新旭川、永山、東旭川といった貨物取扱駅が点在し、市内を走る旭川電気軌 道(1973年廃止)でも電車が貨車を牽引して貨物営業を行っていた。北旭川駅は、旭川市の都市計画に基づく物流流通団地の整備に合わせて、ヨン・サン・トオのダイヤ改正で知られる1968(昭43)年10月に開業したが、旭川都市圏の貨 物駅集約はすぐには進まず、例えば北旭川駅における油槽所新設と専用線敷設は昭和50年代になってからであった。 逆に市内各駅の専用線の貨物取り扱いは後年まで存続した所が比較的多く、特に新旭川駅には日本製紙(株)旭川工場の巨大な専用線がJR貨物発足 後も維持され、車扱とコンテナ扱いの両方を行っていたということもあって、北旭川駅は相対的に地味な印象もあった。ただ内陸油槽所の集積を成し遂げ、セメ ント2社の専用線も存在したことなど、専用線ターミナルとして充実した設備を持ち、それら車扱輸送は現在では全て消滅してしまったのは残念だが、トップリ フターを備え30ft級コンテナを取り扱う主要貨物駅として、今なお道北に君臨している。 国鉄によって、石油、セメント、農産物といった物資別適合基地が整備された最北端の貨物専用駅であり、実質コンテナ専用駅となった今後も道北の鉄道貨物 輸送の拠 点としての地位は揺らがないであろう。旭川都市圏内の各貨物取扱駅の特に石油輸送の盛衰にも気を配りつつ、第22回「貨物取扱駅と荷主」は北旭川駅を取り 上げ、その成立と変遷を辿ってみたい。ここでは筆者の興味に従って、米や野菜等の輸送は取り上げないことにする。現在の北旭川駅の取り扱い品目はそういっ た農産品が主力なのだが、ここでは石油やセメントを中心とした輸送体系を考察する。 |
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▼北旭川駅の配線図(1984.1.1現在) ![]() [1]p14 ![]() 2013.6北旭川駅 北海道農産品ターミナル(株) ![]() 2023.9北旭川駅 生乳タンクコンテナ |
| 年 度 |
取 扱 量 |
年 度 |
取 扱 量 |
年 度 |
取 扱 量 |
| 1993(H05) |
817 |
2003(H15) |
710 |
2013(H25) |
280 |
| 1994(H06) |
803 |
2004(H16) |
700 |
2014(H26) |
294 |
| 1995(H07) |
838 |
2005(H17) |
713 |
2015(H27) |
296 |
| 1996(H08) |
845 |
2006(H18) |
711 |
2016(H28) |
297 |
| 1997(H09) |
802 |
2007(H19) |
697 |
2017(H29) |
285 |
| 1998(H10) |
742 |
2008(H20) |
654 |
2018(H30) |
273 |
| 1999(H11) |
787 |
2009(H21) |
632 |
2019(R01) |
263 |
| 2000(H12) |
742 |
2010(H22) |
605 |
2020(R02) |
256 |
| 2001(H13) |
700 |
2011(H23) |
591 |
2021(R03) |
247 |
| 2002(H14) |
688 |
2012(H24) |
303 |
2022(R04) |
248 |
![]() 1984.8北旭川駅 (地図・空中閲覧サービスより) |
![]() 1989.6北旭川駅 (地図・空中閲覧サービスより) |
![]() 1994.6北旭川駅 (地図・空中閲覧サービスより) |
![]() 2002.9北旭川駅 (地図・空中閲覧サービスより) |
▼旭川周辺の石油及びガス関係の専用線
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![]() 2013.6北旭川駅 東西オイルターミナル(株)跡地 ![]() 2023.9東旭川駅 第一ガス(株) |
| 荷 主 |
発 駅 |
専 用 者 |
昭和30年代の輸送 |
昭和40年代の輸送([2]p259) |
昭和50年代以降の輸送 |
| 日本石油(株) |
本輪西 |
日本石油精製(株)室蘭製油所 |
本輪西〜永山 |
− |
1977年から北旭川駅着に変更 2012年5月:本輪西駅からのタンク車輸送廃止 |
| 三菱石油(株) |
本輪西 石油埠頭 |
三菱石油(株)室蘭油槽所 苫小牧埠頭(株) |
本輪西〜新旭川 |
1970年5月:石油埠頭駅の 三菱石油(株)専用線運輸開始 |
1978年11月:東西オイルターミナル(株)旭川油槽所開所 1997年9月:石油埠頭駅からのタンク車輸送廃止 |
| 出光興産(株) |
本輪西 石油埠頭 |
出光興産(株)室蘭油槽所 出光興産(株)北海道製油所 |
本輪西〜新旭川 |
1969年8月:石油埠頭駅の 出光興産(株)専用線運輸開始 |
1977年10月以降に北旭川駅着に変更 1987年時点で旭川油槽所は存在せず |
| 丸善石油(株) |
本輪西 石油埠頭 |
丸善石油(株)室蘭油槽所 丸善石油(株)苫小牧油槽所 |
本輪西〜新旭川 |
1968年12月:石油埠頭駅の 丸善石油(株)専用線運輸開始 |
1978年11月:東西オイルターミナル(株)旭川油槽所開所 1998年3月:石油埠頭駅からのタンク車輸送廃止 |
| 大協石油(株) |
本輪西 石油埠頭 |
大協石油(株)室蘭油槽所 苫小牧埠頭(株) |
本輪西〜永山 |
1974年12月:石油埠頭駅の 大協石油(株)専用線運輸開始 |
1979年5月:大協石油(株)旭川油槽所が閉鎖 →東西オイルターミナル(株)に統合 |
| 昭和石油(株) |
室蘭 石油埠頭 |
昭和石油(株)室蘭油槽所 昭和石油(株)苫小牧油槽所 |
室蘭〜近文 |
1968年12月:石油埠頭駅の 昭和石油(株)専用線運輸開始 |
1989年度まで苫小牧〜近文間で石油列車あり |
| シェル石油(株) |
石油埠頭 |
苫小牧埠頭(株) |
− |
1970年12月:石油埠頭駅の シェル石油(株)専用線運輸開始 |
1989年度まで苫小牧〜近文間で石油列車あり |
| 共同石油(株) |
七重浜 石油埠頭 留萌 |
アジア石油(株)函館製油所 共同石油(株)苫小牧油槽所 共同石油(株)留萌油槽所 |
七重浜〜新旭川 |
1968年12月:石油埠頭駅の 共同石油(株)専用線運輸開始 1969年11月:共同石油(株) 留萌油槽所開所 |
七重浜、石油埠頭、留萌の各駅から北旭川駅に石油輸送が 行われていた模様。1981年9月にアジア共石(株)は、共石 グループから離脱、大協石油傘下となり輸送体系が変更か。 1984年2月:七重浜駅は貨物取扱廃止 1985年3月ダイヤ改正時:留萌〜北旭川間に石油列車あり 1986年9月:留萌駅発送の石油輸送中止(『留萌市統計書』) |
![]() 1977.9北旭川駅 左:日鐵セメント 右:宇部興産 (地図・空中閲覧サービスより) |
![]() 2008.3苫小牧駅 宇部興産(株)苫小牧セメントセンター |
2013.6苫小牧(貨)駅(下)UT24C-38005 取扱区間として「苫小牧駅〜北旭川駅・新富士駅」とある |
![]() 2023.9北旭川駅 UT5A-136 合同酒精(株) 酒類専用 |
合同酒精(株)はかつて旭川駅に専用線があり、貨車輸送を活用していた。旭川駅は1986年11月に貨物取り扱いが廃止されており、その頃まで専用線は残っていた可能性がある。 専用線廃止後も北旭川駅からのコンテナ輸送によって、道内や東北、関東、東海、関西、福岡の物流センターや支店向けに鉄道コンテナで焼酎や清酒を運んでいる。 利用個数は、1997(H9)年度実績で旭川工場が年間1,177個で、主要ルートは北旭川〜札幌(タ)間。札幌の取引先に送ったコンテナをそのまま倉庫代わりに使用することもあり、密閉性が高いことから冬の厳寒期でも商品が凍結する心配がないという利便性もある。(『運輸タイムズ』1998年6月29日付、5面) 12ftタンクコンテナは、1995(H7)年5月に6個制作し、全国の同社工場間輸送などで運用を開始した。同社は専用線廃止に伴いタンク車の積み込みは発駅 までタンクローリーが横持ちして行うようになったが、タンク車が35トン積みと大ロットで、横持に3往復いることもあり、12ftタンクコンテナによって 積み替えの煩雑さが無くなりコストも下げられるようになったとのこと。またユーザー向け納品に運用する場合、大型ローリーと比べて納品先の道路事情や受け 入れ設備に対応しやすいメリットもある。(『運輸タイムズ』1995年5月29日付、2面) |